三浦しをん (舟を編む) ― 2012年07月01日
本屋大賞の「舟を編む」を読んだ
「辞書は、言葉の海を渡る船だ」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
馬締光也は 無数の言葉を分類し、関連付けて、整然と辞書のページに並べ収まるように
15年もの歳月をかけて「大渡海」を完成させる
「ひとつの言葉を定義し、説明するには、必ず別の言葉を用いなければならない」
なるほど そうだよなーと感心しつつ 日々進化し続ける言葉を追って
地道に取り組んでいる人たちがいることを知り 頭の下がる思いです。
硬い題材だけど 馬締の恋愛、チャラ男の西岡を登場させたりして
エンターテイメント風に書き上げてあるのが 本屋大賞に選ばれたのかも
三浦しをんの小説は何冊か読んでいるけれど この本が一番 面白かった
「辞書は、言葉の海を渡る船だ」
「海を渡るにふさわしい舟を編む」
馬締光也は 無数の言葉を分類し、関連付けて、整然と辞書のページに並べ収まるように
15年もの歳月をかけて「大渡海」を完成させる
「ひとつの言葉を定義し、説明するには、必ず別の言葉を用いなければならない」
なるほど そうだよなーと感心しつつ 日々進化し続ける言葉を追って
地道に取り組んでいる人たちがいることを知り 頭の下がる思いです。
硬い題材だけど 馬締の恋愛、チャラ男の西岡を登場させたりして
エンターテイメント風に書き上げてあるのが 本屋大賞に選ばれたのかも
三浦しをんの小説は何冊か読んでいるけれど この本が一番 面白かった
荻原 浩 (幸せになる 百通りの方法 ) ― 2012年05月03日
相変わらず、本が好き!
週に1,2冊読むが 印象深い本にめぐり合わない。
感想は「ふーん、なるほどね」で終わりだが
久しぶりに面白い本に出会った。
お嫁さんに節電するように言われる おばあちゃんだが
家の中は 電気なしでは使えぬものばかり (原発がともす灯の下で)
大阪のおばちゃんに 振り込め詐欺の電話をかけたらどうなる(俺だよ、俺)
男を動物学的に見てしまう淘子がお見合いパーティーに行ったら
(出会いのジャングル)
有りそうな、無さそな話に 笑ってしまう
「歴史がいっぱい」の中で
(誰も彼もがまだ、戦乱の世を生きているのだ。そして、刀や槍や弓の変わりに、過労や鬱病や失業で殺される)世の中が便利になり、文化的な生活をしても、いつの世も生きていくことは大変だ。現代を風刺していて 可笑しくもあり、そして少し悲しい短編小説だった。
週に1,2冊読むが 印象深い本にめぐり合わない。
感想は「ふーん、なるほどね」で終わりだが
久しぶりに面白い本に出会った。
お嫁さんに節電するように言われる おばあちゃんだが
家の中は 電気なしでは使えぬものばかり (原発がともす灯の下で)
大阪のおばちゃんに 振り込め詐欺の電話をかけたらどうなる(俺だよ、俺)
男を動物学的に見てしまう淘子がお見合いパーティーに行ったら
(出会いのジャングル)
有りそうな、無さそな話に 笑ってしまう
「歴史がいっぱい」の中で
(誰も彼もがまだ、戦乱の世を生きているのだ。そして、刀や槍や弓の変わりに、過労や鬱病や失業で殺される)世の中が便利になり、文化的な生活をしても、いつの世も生きていくことは大変だ。現代を風刺していて 可笑しくもあり、そして少し悲しい短編小説だった。
コーヒーもう一杯 (平 安寿子) ― 2012年02月19日
デザイン会社に勤める末紀は 仕事に情熱がもてない。
わがままなクライアントにブチ切れして会社を辞め
カフェを開業するが、、、
ここまで読んだとき タイトルと表紙のイラストから
カフェの常連客が集まり、そこでの人間模様 そんなこと想像してたら
とんでもない すごくシビアな小説だった。
思ったようには客は来ず、家賃に何万、バイトに何万、
経費諸々と仕入れ経費とつぶさに金額まで入っていてとてもリアル
月26日働いても毎月赤字。
末紀も自分の甘さに気がつくが 借金だけが残ってしまう。
夢を現実にするには とても大変なことなんだと 改めて思った。
それでも未紀は「これは新規まき直しの一時撤退だ」といい
接客業に目覚めた彼女なら またお店を出すだろうと余韻を
残しながら終わっているのが少しほっとします。
わがままなクライアントにブチ切れして会社を辞め
カフェを開業するが、、、
ここまで読んだとき タイトルと表紙のイラストから
カフェの常連客が集まり、そこでの人間模様 そんなこと想像してたら
とんでもない すごくシビアな小説だった。
思ったようには客は来ず、家賃に何万、バイトに何万、
経費諸々と仕入れ経費とつぶさに金額まで入っていてとてもリアル
月26日働いても毎月赤字。
末紀も自分の甘さに気がつくが 借金だけが残ってしまう。
夢を現実にするには とても大変なことなんだと 改めて思った。
それでも未紀は「これは新規まき直しの一時撤退だ」といい
接客業に目覚めた彼女なら またお店を出すだろうと余韻を
残しながら終わっているのが少しほっとします。
平成猿蟹合戦図 (吉田 修一) ― 2011年12月12日
純平はひき逃げの現場を目撃する。犯人を脅して口止め料を取ろうとするが、、、
悪い奴もいい奴も、ごちゃごちゃなって 猿蟹合戦の 始まり始まり。
芥川賞作家の吉田修一の小説が「横道世之介」「悪人」から
少し作風が変わってきたなと思っていたが
この小説は、修様どうしちゃったの?と思うくらい はじけちゃっています。
ユーモアあり、ペーソスあり。 繋がりのない多数の登場人物が、
どのようにかかわりを持っていくのか スト-リーがどんな風に展開するのかと
わくわくするほど面白い。エンターテイメント小説でも 登場人物の胸の内を
しっかり描いていて さすが吉田ワールドと感心しました。
純文学もいいけど、しばらくこの路線でお願いしたいものです。
悪い奴もいい奴も、ごちゃごちゃなって 猿蟹合戦の 始まり始まり。
芥川賞作家の吉田修一の小説が「横道世之介」「悪人」から
少し作風が変わってきたなと思っていたが
この小説は、修様どうしちゃったの?と思うくらい はじけちゃっています。
ユーモアあり、ペーソスあり。 繋がりのない多数の登場人物が、
どのようにかかわりを持っていくのか スト-リーがどんな風に展開するのかと
わくわくするほど面白い。エンターテイメント小説でも 登場人物の胸の内を
しっかり描いていて さすが吉田ワールドと感心しました。
純文学もいいけど、しばらくこの路線でお願いしたいものです。
東野圭吾 (夜明けの街で) ― 2011年11月01日
最近映画化された 東野圭吾の「夜明けの街で」を読んだ。
家庭は壊したくない、だけど不倫相手とは別れたくない。
中年にさしかかる男性の涙ぐましい努力とでも言ったらいいでしょうか。
。妻にうそをつき、友達を利用してアリバイ作りをする
二人の女性のあいだで揺れ動く
心理描写は おかしくもあり 哀れでもあります。
「フーン」と引きながら読んでるくせに、あまりにリアルで
男の本質というか本音が少しわかるような気がしました
二日間で完読。
中盤から サスペンスも加わり 面白かった。
家庭は壊したくない、だけど不倫相手とは別れたくない。
中年にさしかかる男性の涙ぐましい努力とでも言ったらいいでしょうか。
。妻にうそをつき、友達を利用してアリバイ作りをする
二人の女性のあいだで揺れ動く
心理描写は おかしくもあり 哀れでもあります。
「フーン」と引きながら読んでるくせに、あまりにリアルで
男の本質というか本音が少しわかるような気がしました
二日間で完読。
中盤から サスペンスも加わり 面白かった。
県庁おもてなし課 (有川 浩) ― 2011年08月17日
有川浩は高知県出身。県の「おもてなし課」から観光特使になってくれと 頼まれ引き受けるが、
一ヶ月たっても何の連絡も無い
どうなったのかとメールすると「まだ名刺が出来てなくて、、、」
あまりのお役所しごとで民間とずれているのに驚き、これは小説になると 書き始めた エピソード付きの小説です。
若い職員 掛水が作家吉門に お役所仕事とダメ押しで忠告してくれる言葉に真面目に向き合い、思考錯誤しながら観光誘致に情熱を注いでいくさまが うまく描かれています。二組のカップルの恋話を入れて
フィクション半分、実話半分という感じです。
露店が並ぶ日曜市や すごい山奥の馬路村など行ってみたい。
ガイドブック見るより その土地の魅力を文字だけで
リアルに伝えるなんて たいしたものです。
対談の中で有川が言います
「じぶんの地元にあるもの「大したこと無い」って、決めてかかっちゃうのはどうかなと思うんですよ。「自分たちの地元こそいいものがあるよ」って もうちょうと自覚的に考えいけたらいいのかと」
震災まえに読んだら 心に残らなかったかも。
今 心からそう思います。「私の地元は、本当にいいところ」と。
一ヶ月たっても何の連絡も無い
どうなったのかとメールすると「まだ名刺が出来てなくて、、、」
あまりのお役所しごとで民間とずれているのに驚き、これは小説になると 書き始めた エピソード付きの小説です。
若い職員 掛水が作家吉門に お役所仕事とダメ押しで忠告してくれる言葉に真面目に向き合い、思考錯誤しながら観光誘致に情熱を注いでいくさまが うまく描かれています。二組のカップルの恋話を入れて
フィクション半分、実話半分という感じです。
露店が並ぶ日曜市や すごい山奥の馬路村など行ってみたい。
ガイドブック見るより その土地の魅力を文字だけで
リアルに伝えるなんて たいしたものです。
対談の中で有川が言います
「じぶんの地元にあるもの「大したこと無い」って、決めてかかっちゃうのはどうかなと思うんですよ。「自分たちの地元こそいいものがあるよ」って もうちょうと自覚的に考えいけたらいいのかと」
震災まえに読んだら 心に残らなかったかも。
今 心からそう思います。「私の地元は、本当にいいところ」と。
下町ロケット (池井戸 潤) ― 2011年08月05日
宇宙開発の研究者だった佃は、父の後を継いで町工場の社長になる。取引先の離反、資金繰り難、社内の融和 簡単に解決できない問題をいつも抱えている。大手ライバル会社から特許侵害と訴えられ法廷闘争に巻き込まれ、銀行からの融資も途絶え苦境に立たされる。
そんな中、大企業会社が佃製作所の取得した特許を売ってくれと迫るが、、、
面白くて400ページの長編を二日で読んでしまった。
大手企業に中小企業が挑む。下町からロケット部品を作りたい
「佃品質 佃プライド」従業員が一丸となって 小が大に勝つ!
エンターテーメントな面白さの中にきらりと光る真実の言葉がいっぱい詰まってます。
告訴されたとき融資を断った銀行が 和解金が
入ると知るや支店長がもみ手してやってくる。
佃は言う「自分の都合のいいときだけすり寄ってくるような
商売はよしてくれ。いいときも悪いときも、信じあっていくのが
本当のビジネスなんじゃないのか」
作者は元銀行マンですから、銀行の内情に詳しく また理不尽さを
見てきたならではのせりふだと思いました。
今少し元気のない日本だが 小さな国でも大国に負けない技術を
持っているのだ!頑張れと励まされ 希望がもてる小説です。
久しぶりに読後の良い本にめぐり会いました。
(第145回 直木賞受賞)
そんな中、大企業会社が佃製作所の取得した特許を売ってくれと迫るが、、、
面白くて400ページの長編を二日で読んでしまった。
大手企業に中小企業が挑む。下町からロケット部品を作りたい
「佃品質 佃プライド」従業員が一丸となって 小が大に勝つ!
エンターテーメントな面白さの中にきらりと光る真実の言葉がいっぱい詰まってます。
告訴されたとき融資を断った銀行が 和解金が
入ると知るや支店長がもみ手してやってくる。
佃は言う「自分の都合のいいときだけすり寄ってくるような
商売はよしてくれ。いいときも悪いときも、信じあっていくのが
本当のビジネスなんじゃないのか」
作者は元銀行マンですから、銀行の内情に詳しく また理不尽さを
見てきたならではのせりふだと思いました。
今少し元気のない日本だが 小さな国でも大国に負けない技術を
持っているのだ!頑張れと励まされ 希望がもてる小説です。
久しぶりに読後の良い本にめぐり会いました。
(第145回 直木賞受賞)
角田光代 (ツリーハウス) ― 2011年07月14日
良嗣は祖父の死をきっかけに 祖父母の過去や、自分のルーツを知るため 祖母とおじの太二郎と共に中国を訪れるが、、、
故郷を捨て、満州に渡った祖父母の生活が次第に明らかになる。
終戦後 引き揚げ船で帰国する場面はリアルで
読んでいて切なくなります。
「土台も無いのに家を建てたのだ。根のない木を植えたのだ。
あとさきのことなど考えず、生きて今日一日を終えるため」
逃げて、逃げて生き抜く二人の人生が
子供たちにも影響をあたえていく様が丁寧に書かれていています。
角田ワールドは奥が深い。読み応えあります。
故郷を捨て、満州に渡った祖父母の生活が次第に明らかになる。
終戦後 引き揚げ船で帰国する場面はリアルで
読んでいて切なくなります。
「土台も無いのに家を建てたのだ。根のない木を植えたのだ。
あとさきのことなど考えず、生きて今日一日を終えるため」
逃げて、逃げて生き抜く二人の人生が
子供たちにも影響をあたえていく様が丁寧に書かれていています。
角田ワールドは奥が深い。読み応えあります。
林真理子 (六条御息所 源氏がたり) ― 2011年06月02日
学生の頃 古典の授業が好きだった。サザエさんの父 磯野波平に似た先生が和歌を詠み「これは恋の歌です」なんて言うのを興味深く聞いたものです。
その後 何度か源氏物語に挑戦したけどいつも中途半端ででした
源氏物語は王朝貴族のラブロマンスと位置づけていたから
読み始め「何じゃこれは!」とびっくりしました。
林真理子の源氏はリアルで生なましい
現代風に書かれた物語は 読みやすく 解りやすくて
いつの間にか はまってしまい一気に二冊読んでしまった。
語り部の六条御息所の嫉妬と嘆きがいっそう
この物語を面白くしています。
葵の上に生霊がとり付く様はぞっとしました。
雅かで格式高い平安文学を 源氏物語をモチーフした小説とは云え
どろどろした人間関係や源氏の好色ぶりを生々しく描く
林真理子ってすごい!!
その後 何度か源氏物語に挑戦したけどいつも中途半端ででした
源氏物語は王朝貴族のラブロマンスと位置づけていたから
読み始め「何じゃこれは!」とびっくりしました。
林真理子の源氏はリアルで生なましい
現代風に書かれた物語は 読みやすく 解りやすくて
いつの間にか はまってしまい一気に二冊読んでしまった。
語り部の六条御息所の嫉妬と嘆きがいっそう
この物語を面白くしています。
葵の上に生霊がとり付く様はぞっとしました。
雅かで格式高い平安文学を 源氏物語をモチーフした小説とは云え
どろどろした人間関係や源氏の好色ぶりを生々しく描く
林真理子ってすごい!!
奥田 英朗 (純平、考え直せ) ― 2011年05月12日
純平21歳 早田組の使い走りのチンピラだ。
歌舞伎町のホステスにはペットのように可愛がられているが
北島兄貴のような一人前のやくざになることを夢見ている。
突然 組の親分に「鉄砲玉」を命じられるが、、、
懲役くらえば一人前の極道になれると張り切る純平だが
街で知り合った加奈に話してしまう。加奈はケータイのサイトに
書き込みしたから さあ大変。心配する人から、あおる人、面白がる人、ついには沖縄問題にまで発展し、、、
奥田って作家は 面白い文章が後からあとに出てきて
作者自身も笑いながら書いているんじゃーないかと想像してしまう。
単細胞だけどピュアな純平。母親に会いに行く場面は 愛情なくして育った純平の心がよく描写されていて辛くなります。 笑いとペーソス
そして社会風刺が程よく混じり さすが奥田ワールド。
純平はその後どうなったか気になります。
続編をお願いしたいものです。
歌舞伎町のホステスにはペットのように可愛がられているが
北島兄貴のような一人前のやくざになることを夢見ている。
突然 組の親分に「鉄砲玉」を命じられるが、、、
懲役くらえば一人前の極道になれると張り切る純平だが
街で知り合った加奈に話してしまう。加奈はケータイのサイトに
書き込みしたから さあ大変。心配する人から、あおる人、面白がる人、ついには沖縄問題にまで発展し、、、
奥田って作家は 面白い文章が後からあとに出てきて
作者自身も笑いながら書いているんじゃーないかと想像してしまう。
単細胞だけどピュアな純平。母親に会いに行く場面は 愛情なくして育った純平の心がよく描写されていて辛くなります。 笑いとペーソス
そして社会風刺が程よく混じり さすが奥田ワールド。
純平はその後どうなったか気になります。
続編をお願いしたいものです。
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